fukuoka wetland conservation research group
釣りゴミ被害を
一つでも無くすため
毎年、釣り糸などのゴミによってクロツラヘラサギをはじめとする多くの野鳥たちが命を落としています。
私たちは釣りゴミによって負傷している野生生物の保護活動も行っています。
絶えない釣りゴミ被害と失われていく命
魚釣りは古来より人々に親しまれ、近年では身近なアウトドアスポーツとして気軽に楽しむ人が増えてきました。しかし、それに伴って廃棄・放置された釣り糸や釣り針等による野生生物、特に野鳥の死傷事故が増加し、全国から多くの被害が報告されています。
釣りに使われる糸(テグス)は透明なため見えにくく、その強度により一度体に巻き付くと鳥たちは自力で糸を切ることはできません。また、ルアーや釣り針がついたままの魚を飲み込んでしまう鳥も多くいます。
このような釣り糸・釣り針等によって負傷した鳥たちは餌を充分に採れずに衰弱し、人知れず死んでいきます。私たちが負傷した鳥を発見したとしても、彼らは体力が尽きるまで必死に飛び続けるため、保護できたとしても殆ど助かることはありません。魚を釣るためであるはずの道具は、私たちの手から離れた瞬間から鳥たちの命を奪う凶器になるのです。
「釣り糸被害」を減らすため、そして未然に防ぐため、私たちにできることは何なのか。私たち人間はごみ問題とともに考えていかなければなりません。
リーフレットも作成していますので、ご家族やご友人に釣りをされる方がいらっしゃればご紹介していただけると幸いです。
当会以外の写真を提供して頂いた方々:石井正春、岡部拓也、行徳野鳥観察舎友の会、高良淳司、橋本正弘、三木敏史、吉岡美佐子(五十音順・敬称略)
守って欲しい、釣りのマナー
野鳥の近くで釣りをしない
過って野鳥を引っ掛けたり、野鳥がルアーや釣り針を餌と間違えて飲み込んでしまう可能性があります。
釣具から目を離さない
釣りをしている間は、必ず釣り糸の先から目を離さないようにしてください。
道具、ゴミはすべて持ち帰る
釣り糸、釣り針、ルアー、その他のゴミ等は捨てたり放置して帰らないでください。
釣り針が残った魚を廃棄しない
魚の体内に残った針は、後にその他の動物を傷つける原因になります。
廃棄する釣り糸はハサミで短く切断する
長いままの釣り糸を廃棄すると、ゴミ集積場などで餌をあさる鳥類が糸に絡まる可能性があります。切断後、袋等に入れて廃棄してください。
落ちている釣り糸・釣り針・ルアーを拾う
他の人が廃棄した釣り糸等を見つけたときは、そのまま放置せずにできる限り回収してください。
みんなできれいな釣り場を維持しましょう。
もしも野鳥に釣り糸を引っ掛けてしまったら…
万が一、釣りをしている時に野鳥をひっかけてしまった場合は、以下の手順で対処してください。
① 決して慌てず、そのままゆっくりと鳥を引き寄せる。
絶対に故意に釣り糸を切らないでください。
② 鳥の頭部にタオルやシャツを被せる。
鳥が暴れないように、頭や目を覆うように被せてください。視界を閉ざすことでおとなしくなります。